銭ゲバ
マンガ 銭ゲバを読んで
なぜ。 Kindleで1-4まで全巻無料だった。 普段漫画を買わないが、Twitterでの紹介画像も気を惹かれたので読んでみたら引き込まれ、読破した。680p.
感想
やさしい人になりたい。
最期にあるように彼は正しかったのかもしれない。
だがやさしくはなかった。
やさしかった妻をモラハラで自殺に追い込んだのが本当に酷かった。自分が父にされたことを妻にして、それで開き直ってしまえるのが力の恐ろしさだった。
返り討ちに合わずに都合の悪い人間殺しまくれる肉体の 強さももちろんだが、酷いことをしてもそれを跳ね除ける強さがあるゆえに最期まで改心できなかったのだろう。
私はやさしかった彼の妻や罪のなかった子供まで無駄に殺した彼でも、間違っているとは言えない。ただ彼はやさしくなかった。こうはなりたくない。やさしいひとになりたい。
設計
殺人を経ながらの成り上がりが一つ一つ丁寧に書かれていてる。昔の漫画なので絵は抽象的だが、効果線を適切に使って感情表現を表しているのが感心する。
最期に新しい貧困での酷かったエピソードを挿入したり、何かきっかけがある度に自分の悪事をフラッシュバックしたり、人物像がリアル。緻密に一人称で書かれている。蒲郡の視点で書かれているから彼の人生に没入できる。
// どんなに酷い人も自分が他人に酷いことをしたあとは後から後悔するんだなぁ。職場でパワハラしてきたあの女もそれを何度も後悔してやさしくなったのかもしれない。